直訳すると「彼は2年間死んでいる。」
ちょっとおかしいですよね。
ですから日本語的に訳しなおせば「彼は2年前に死んだ。」
日本語から考えて訳してみれば、
He died two years ago.
これでも良さそうなもんですが、ネイティブの感覚から言うとちょっと違和感があるようなんですね。
ここに英文法における過去形と現在完了形の違いを理解するコツがあります。
しかもこれはただ単に文法的な違いにとどまらず、日本の仏教的な死生観と欧米のキリスト教的な文化の違いからくるという、なんとも大人が飲み屋で盛り上がれそうな話なのでシェアしときます。
元ネタとなったソースは大人のやり直し英語に使えると評判のスタディサプリ、『高3 スタンダードレベル英語<文法編>→第2講 時制(2)→チャプター2』です。
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現在完了形のおさらい
現在完了形、中学校の英語の授業でやりましたね。
英語がわかる方は読み飛ばしてもらって大丈夫です。
そうでない方向けにおさらい。
S + have + p.p(過去分詞) 〜
この形で英文を作ることで、
- 継続 「今までずっと〜している」
- 完了・結果 「ちょうど今~したところだ」
- 経験 「今までに~した経験がある(※それが今の自分にも繋がっている)」
こういった意味を表すということは習ったはずです(たぶん)
これを時系列で表すとこんな感じ。
過去のどの時点で始まったかはあまり関係なく、重要なのはその出来事が今の自分に繋がっている、関係しているというイメージです。
このニュアンスの違いを掴んでおくことで、会話や文章の中で同じような内容を話していても、実は相手が全然違う意味を持たせて話しているんだということがわかります。
「カギを無くした」という内容の話を相手がしているとして
<過去形>I lost the key.
「前にカギを無くしたことがあってさー」
※今は持ってる
だからキーホルダーに付けて持ち歩くようになったんだよね。
<現在完了形>I have lost the key.
「実はカギ無くしちゃっててさー」
※今も持ってない
鍵屋さんが来るまで電話しててもいい?
だから今合鍵作ってる最中なんだよね。
今夜泊まってもいい?(キャッ♪)
日本人にとっては同じような過去の話でも、「なくしたカギを今は持っているのか?いないのか?」がつかめるだけで会話のキャッチボールや、文章の意味の掴み方が全然違ってきますよね。
なぜ『死んだこと』を過去形ではなく現在完了形で表せるのか?
死体の扱いがポイント
『死んだ』という過去の出来事を表すならシンプルにdeadの過去形である『died』を使えばいいですよね?
なのになぜ過去から現在まで続いているという意味合いを持つ現在完了形を使うのか?
これを理解するキーポイントが『キリスト教では死体をどうするか?』です。
欧米では日本のような『火葬』ではなく、死体を棺に入れて土の中にそのまま埋めてしまう『土葬』が一般的です。
では彼らの文化の中でなぜ土葬か一般化され、今でも続けられているのか?というと、後で使うからです。
『キリスト教徒の死』の後に待っているもの
欧米で主流となっている宗教であるキリスト教では、人類は最後には破滅的な状況に陥って滅亡し、 天使が吹き鳴らすラッパの音を合図に、それまでの人類全てが一度蘇って天国行きか地獄行きかを決める『最後の審判』がやってくると考えられています。
つまりフェス待ち。
そのフェスに参加するときに身体がなかったら困るから燃やさないで土の中で取っておくんですね。
仏教とキリスト教で異なる死生観
私たち日本人の死生観でいうと大半が『死んだら終わり』か『輪廻転生』。
もう一回甦ってくるっていう発想はありません。
『死んだ』という過去の事実が『点』として存在するだけです。
だから使い終わった身体も燃やして粉々にしちゃう。
でもキリスト教徒である欧米人は違います。
今は死んでるけど、この先、もう一度生き返るものだと考える。
もう一度同じ自分として還ってくるつもりなんですね。
だから死は『点』ではなくて『線』 で考える。
今は『死んでいる』状態を継続しているだけ。
そういったことから英文で『死んだ事』を表す時には過去形よりも現在完了形を使う方がしっくりくるわけです。
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